かぶは栽培方法でその味が変わる印象

僕が自分で栽培を始めるまであまり積極的に食べなかった野菜のひとつとして、かぶがあります。
 
スーパーで買い物をする時も、なんだか大根とかの方が大きくてお得な感じがするし、加えて味の方もかぶは少し土臭い?というか、大根のクセのなく爽やかな味にひっぱられて、あまり購入したことがありませんでした。
 
そんなかぶの印象が変わったのは農業をやり始めて、先輩農家さんからいただいた自然栽培のかぶを食べた時です。
 
炭火で軽く炙ったそのかぶを食べた時、その甘みや繊維の詰まった濃厚な旨味にびっくりしたことを覚えています。
 
それから、今までのかぶの印象とのギャップもあって、かぶは育て方で随分味が変わるのだなぁと学び、そしてかぶという野菜のファンになりました。

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よく膨らんだ「みやま小蕪」
またかぶという野菜は日本においての歴史が長く、たくさんの「在来種」が残っているのも魅力ではないでしょうか。
 
弥生時代には日本に入ってきていたという超ロングセラーのかぶ。
その後、各地に広まり、独自の進化を遂げたものも多くあります。
奈良県のシンプルな「みやま小蕪」をはじめ、滋賀県の細長くピンクと白のツートンカラーがキレイな「日野菜かぶ」、岩手県で昔から薬用として用いられたクネッと曲がった「遠野かぶ」など、その姿も味もさまざまです。
 
そんな全国各地のかぶが未だに産地では栽培されていて、先人たちが食べていた味を現在の僕らも食べられるのはかぶの歴史があってこそです。
旅行の際は「ご当地のかぶ」をチェックしてみてはいかがでしょうか。
 
きっかけは何でも構わないと思います。
かぶのことをもう少し知り、もう少し愛してみれば、いつもの食卓がまた少し豊かになるように思います。